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【定年後にぴったり】羽黒山五重塔(国宝)を歩く——杉並木と修験の道が語る“静寂の日本文化”

  • 住所:〒997-0211 山形県鶴岡市羽黒町手向羽黒山33
  • そのほか:電話番号: 0235-62-2355

目次

はじめに|歩くことに“価値がある”

羽黒山は、出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)の入口にあたる霊峰。
随神門から続く2,446段の石段を、特別天然記念物級の杉並木に包まれて歩く体験は、日本の宗教観・建築美・森の時間に同時に触れる「文化の歩行」です。参道途中に佇む国宝・羽黒山五重塔は、杮葺(こけらぶき)・素木造の端正な木組みで、東北最古級の塔と伝わります。

(参考:hagurokanko.jpishidanmoude.com日本遺産

1. 羽黒山五重塔を訪れる魅力

参考:https://www.tsuruokakanko.com/spot/256

1-1.羽黒山五重塔が教えてくれる“日本のかたち

羽黒山(はぐろさん)は、山形県鶴岡市にある出羽三山(羽黒山・月山・湯殿山)のひとつ。
古来より“生・死・再生”を象徴する修験道の聖地として信仰を集めてきました。
羽黒山神社を中心とするこの山は、山伏(やまぶし)たちの修行の地であり、
自然・宗教・建築・精神文化が交差する「日本文化の縮図」とも言われています。

その象徴が、国宝「羽黒山五重塔」。
高さ約29m、杮葺(こけらぶき)の屋根、そしてくぎを使わずに木を組み合わせる伝統的な「木組み建築」によって建てられた塔は、
600年の時を経てもなお凛とした静けさを保ち、訪れる者の心を深く鎮めます。
平将門の創建と伝わり、室町時代に再建されたこの塔は、
日本最古級の五重塔の一つとして“羽黒山五重塔 国宝”と称されるにふさわしい存在です。

杉並木に囲まれた参道の途中に佇むその姿は、まるで森そのものが塔を守っているかのよう。
この約1.7kmの杉並木は「羽黒山杉並木」として特別天然記念物に指定され、
樹齢300〜500年の巨杉が並ぶ光景は、四季を通じて訪れる人を魅了します。
特に早朝や霧が立ちこめる時間帯には、まるで神話の世界に迷い込んだような荘厳な雰囲気を体感できます。

さらに、羽黒山では「世界遺産登録」を目指す動きも進行中。
出羽三山信仰の歴史や自然との共生を重んじる思想は、現代のサステナブル観光にも通じます。
この地を訪れることは、単なる観光ではなく“文化を歩いて感じる体験”そのものなのです。

1-2.60歳からの旅にぴったりな理由

羽黒山は、体力に自信のある若者だけでなく、
定年後の人生をゆっくり楽しみたい60代以上の方にも人気のスポットです。
「羽黒山五重塔 登山」というよりも、「羽黒山石段を歩く文化的な散策」と表現する方が正確かもしれません。

羽黒山の参道には、随神門から五重塔まで約2,446段の石段があります。
数字だけ見ると大変そうに感じますが、
実際には“羽黒山五重塔 駐車場”から近いエリアまで車でアクセス可能で、
体力に合わせた散策コースを選ぶことができます。
途中には休憩用のベンチもあり、自然の風や沢音を感じながら無理なく進めます。

また、参道の入り口付近には「羽黒山レストハウス」や「いでは文化記念館」があり、
登拝前の準備や御朱印の受付、文化展示の見学ができます。
参拝後には、羽黒山斎館で精進料理を味わうのもおすすめ。
旬の山菜や豆を中心とした料理は、心身を整える“祈りの食”として人気です。

そして、随神門から歩いて15〜20分でたどり着く羽黒山五重塔の前に立つと、
聞こえるのは風の音と鳥のさえずりだけ。
人工音のない世界で、自分の呼吸と自然のリズムが一体になる瞬間は、
日常では得られない深い癒しを与えてくれます。

羽黒山は、まさに“心と体を整える旅”。
体験そのものが祈りのように穏やかで、静かな時間が流れます。

1-3.この記事で紹介する内容

この記事では、羽黒山五重塔とその周辺の文化体験を、
「初めて訪れる人にも分かりやすく」「何度訪れても新しい発見がある」構成で紹介します。

主な内容は以下のとおりです。

  • 羽黒山五重塔の歴史・建築・国宝指定の背景
  • 羽黒山参道(石段)の歩き方と所要時間
  • 羽黒山杉並木・爺杉・須賀の滝などの見どころ
  • 羽黒山神社・三神合祭殿へのアクセスルート
  • 駐車場・バス・羽黒山有料道路の最新情報
  • 御朱印のもらい方と斎館・宿坊での体験
  • 羽黒山周辺のランチ・精進料理・休暇村などの立ち寄り情報
  • 季節ごとの魅力(紅葉・雪・ライトアップ・気候)

この記事を通して、あなたが次に羽黒山を訪れるとき、
単なる観光地としてではなく、
“静けさと祈りを感じる文化の旅”として味わえるようになることを願っています。

2.“静けさを歩く”参道:2,446段のゆるトレッキング

参考:https://tabizine.jp/2019/09/05/284810/

羽黒山の魅力は、国宝・五重塔そのものだけでなく、
そこへ至る「羽黒山参道(石段)」にこそあります。
随神門から始まる約2kmの参道は、約2,446段の石段が続く“祈りの道”。
羽黒山杉並木の下を歩く時間は、まさに「静けさを歩く体験」です。

2-1. 杉並木がつくる“神域の空気”

参考:https://kazekaol.exblog.jp/27299440/

参道の入口に立つ「羽黒山 随神門」をくぐった瞬間、
空気が変わるのを感じる人は多いでしょう。
この先に広がる羽黒山杉並木は、約550本、樹齢300〜500年の杉が立ち並ぶ特別天然記念物です。
樹冠が重なり、陽光が木漏れ日となって降り注ぐ参道は、
まるで自然と建築が一体化したような“生きた回廊”。

石段の途中には、滝の音が響く「須賀の滝」や、樹齢千年級の「爺杉(じじすぎ)」など、
歴史と信仰を感じさせるスポットが点在しています。
いずれも出羽三山信仰の「山伏修行」に深く関わる場所であり、
歩くごとに精神が研ぎ澄まされていくのを感じます。

羽黒山の自然は、ただの“背景”ではありません。
一歩ごとに風が変わり、杉の香が濃くなり、
自分の足音だけが響く——。
その静寂の中に「羽黒山とは何か」という問いの答えが、
少しずつ見えてくるような気がします。

2-2. 五重塔までの距離と所要時間

参考:https://tochiginojinja.shiraberu-kuraberu.com/utsunomiya-hagurosan-jinja/

初めて訪れる人が気になるのが、
「羽黒山五重塔まで、どのくらい歩くのか」という点でしょう。
随神門から国宝・羽黒山五重塔までは、おおよそ徒歩15〜20分。
往復しても約30〜40分ほどのコースで、
体力に不安のある方でも安心して挑戦できる“ゆるトレッキング”です。

道は整備されており、
石段の段差も比較的緩やか。
ただし、雨天後や朝露の時間帯は滑りやすい箇所もあるため、
ウォーキングシューズや軽登山靴をおすすめします。

参道の途中には、
「羽黒山 二ノ坂茶屋」などの茶屋やベンチがあり、
休憩を取りながら自然の空気を味わえます。
茶屋では地元名物の“力餅”を味わえることもあり、
歩く楽しみのひとつになっています。

2-3. 石段を歩く心得:静けさを乱さない

参考:https://yamagatakanko.com/attractions/detail_143.html

羽黒山の石段は、単なる“登山ルート”ではなく、
古来から修験者が祈りを込めて歩いてきた「修行の道」です。
そのため、歩く際には小さな心配りが大切です。

・杉の根元を踏まない(根の傷み防止)
・スマホ撮影は控えめに(祈りの場としての尊重)
・静かな会話を心がける(森の音を感じる)

これらを意識することで、
羽黒山参道がもつ本来の「祈りの空気」を守ることができます。

羽黒山五重塔の前に立ったとき、
それまでの足音や呼吸がまるで浄化されるように静まり、
心の奥に残るのは“無音の豊かさ”。
その感覚こそが、羽黒山という場所の本質であり、
“静寂の日本文化”と呼ぶにふさわしい体験です。

2-4. 季節ごとの参道の表情

  • 春(4〜5月):新緑と沢の音が心地よく、早朝の冷涼な空気の中を歩くのがおすすめ。
  • 夏(6〜8月):羽黒山の杉並木は“天然クーラー”のような涼しさ。木陰の道で快適に散策可能。
  • 秋(10〜11月):紅葉と杉の緑が織りなすコントラストが絶景。平日午前が静かで写真にも最適。
  • 冬(12〜3月):雪化粧した羽黒山五重塔は幻想的だが、石段は凍結の危険があるため、
    山頂の「羽黒山三神合祭殿」へは車でのアクセス(羽黒山有料道路)を推奨。

このように、季節によって異なる顔を見せる羽黒山参道は、
訪れるたびに新しい発見を与えてくれます。

2-5. 羽黒山参道へのアクセス

参考:https://walk-camera.com/hagurosan-bus-access/

  • バス利用:JR鶴岡駅から庄内交通の「羽黒山頂線」バスを利用。
    随神門前で下車すれば、すぐに石段参拝を開始できます。
  • 車利用:羽黒山随神門付近に無料駐車場あり。
    さらに上の「羽黒山有料道路」を利用すれば、山頂駐車場までのアクセスも可能(普通車400円・往復)。
  • 所要時間目安
    • 随神門→五重塔:15〜20分
    • 五重塔→山頂(三神合祭殿):約60分

これらのルートを組み合わせることで、
無理のないスケジュールで羽黒山の“歩く文化遺産”を楽しめます。

3. シニアにやさしい“選べる動線”

参考:https://ziplock.info/e/1666/

羽黒山は、体力や時間に応じて参拝ルートを選べるのが大きな魅力です。
「登山」や「修行」というより、“文化を歩いて味わう参拝”というのが本質。
羽黒山五重塔への道のりは、若者からシニアまで幅広い層に開かれた「祈りの道」です。

3-1. A:羽黒山五重塔まで往復(初心者向け)

随神門から国宝・羽黒山五重塔までは徒歩15〜20分ほど。
往復しても30〜40分で、参道の雰囲気を十分に味わえます。

道中は杉並木に包まれ、樹齢300年以上の杉の間から木漏れ日が差し込みます。
歩くたびに足音が吸い込まれていくような静けさが心地よく、
自然のリズムに体を委ねながら進む感覚を楽しめます。

途中の「爺杉」や「須賀の滝」は、羽黒山五重塔を象徴する名所。
歴史ある信仰の場を感じながら歩くことで、まるで時代を越えた散歩をしているような心地になります。

参拝のあとは「羽黒山レストハウス」や「二ノ坂茶屋」でひと休みを。
冷たい湧水や力餅を味わえば、旅の疲れが静かに和らぎます。

3-2. B:山頂の三神合祭殿まで参拝(健脚向け)

もう少し体力に自信のある方は、羽黒山山頂までの登拝もおすすめです。
随神門から山頂の「羽黒山三神合祭殿」までは、
およそ2,446段、徒歩で約60〜75分。
石段を登るたびに、風の音や鳥の声が変わり、
森全体が“祈りの空間”へと変わっていくのを感じます。

山頂には、出羽三山の神々を一堂に祀る「三神合祭殿」や、
羽黒山神社の御朱印を授かれる社務所、参拝後に食事ができる「斎館」などがあります。

山伏修行の拠点でもあるこの場所では、
今でも白装束をまとった修験者が歩く姿に出会うことも。
“羽黒山とは何か”をより深く知る旅として、時間をかけて登る価値があります。

3-3. C:車で山頂へ(無理なく参拝)

体調や天候、時間の都合に合わせて、
「羽黒山 有料道路(羽黒山スカイライン)」を利用する方法もあります。

この道路を使えば、羽黒山山頂まで車で約15分。
「羽黒山山頂駐車場」に車を停めて、そこから徒歩5分ほどで「三神合祭殿」へ到達できます。
参道の石段を登らずとも、出羽三山信仰の中心に触れられるルートです。

また、五重塔までは別ルートでアクセス可能。
「羽黒山 五重塔 駐車場」から徒歩5〜10分ほどで到達できるため、
足腰に不安のある方や、家族連れにもおすすめです。

道路は季節によって通行時間が異なるため、
事前に【庄内交通公式サイト】または【羽黒山公式観光ページ】で確認しておくと安心です。

3-4.羽黒山の動線を“体験型”で選ぶ

羽黒山には「徒歩」「バス」「車」の3つの動線がありますが、
それぞれが違った「静けさ」を味わえるのが特徴です。

動線所要時間特徴
徒歩(随神門〜五重塔)約30〜40分自然の音・森の匂い・祈りの静寂を体感できる。
徒歩(山頂まで)約60〜75分修験の世界観を全身で感じられる。
車(有料道路利用)約15分山頂や三神合祭殿を無理なく参拝できる。

無理に“全部登る”必要はありません。
羽黒山は「訪れる人に合わせて道を開く山」。
どのルートを選んでも、祈りと自然の調和に触れる時間を得られます。

3-5. 羽黒山参拝後の楽しみ方

参考:https://www.tsuruokakanko.com/spot/1062

参拝後は、山頂の「斎館」で味わう精進料理が人気です。
地元の山菜や豆腐、旬の野菜を中心にした料理は、
まさに“心を整える食”。
体験そのものが羽黒山の精神性を体現しています。

また、麓の「いでは文化記念館」では、
羽黒山の歴史や修験道の文化を学ぶ展示もあり、
歩くだけでは見えなかった“羽黒山の奥行き”を感じられます。

準備と装備(安全第一・快適最優先)

羽黒山は「登山」というより“歩く祈り”の場ですが、
2,446段の石段や山中の気候変化に備えることで、
より快適で安全な参拝ができます。
特に羽黒山五重塔まではゆるやかな道とはいえ、
雨や朝露で石段が滑りやすくなるため、事前準備は大切です。

4-1. 羽黒山登山・参道歩きに適した服装

参考:http://medaka3.n-da.jp/e824671.html

羽黒山を歩くときの服装は、
季節や天気によって柔軟に選ぶのがポイントです。
標高は414mほどと高くはありませんが、
森の中は気温が平地より2〜3度低く、体感温度はさらに涼しく感じます。

おすすめの服装(通年)

  • :滑りにくいウォーキングシューズ or 軽登山靴(石段は苔で滑りやすい)
  • 上着:通気性と防風性を兼ねた薄手アウター(特に春秋)
  • ボトムス:動きやすいロングパンツ(木の根・虫刺され対策)
  • 帽子:杉並木の木漏れ日でも日差しは強め。つば付きが便利。
  • リュック:水分補給・タオル・レインウェア・軽食を入れて。

また、冬季(12〜3月)は雪や氷が残るため、
滑り止め付きの靴やストック(トレッキングポール)があると安心です。
羽黒山の天気は山形市内より変わりやすいため、
出発前に「羽黒山 天気 10日間」などで最新の予報を確認しましょう。

4-2. 羽黒山石段を“きつくしない”歩き方

参考:https://www.travel.co.jp/guide/article/34161/

羽黒山の石段は全部で2,446段。
数字だけ見ると「羽黒山 石段 きつい」と思われがちですが、
実際は「ペースの作り方」で大きく印象が変わります。

おすすめの歩行リズム:

  1. 石段を一段ずつ、ゆっくりとリズムをつくる。
  2. 50段ごとに一呼吸。周囲の音を聴く時間を取る。
  3. 「早く登る」ではなく「静けさを感じながら歩く」が基本。

羽黒山の参道は修行の道でもあります。
焦らず歩くことで、杉並木のざわめきや五重塔の姿がより美しく見え、
身体的にも精神的にも無理のない参拝ができます。

4-3.持ち物リスト:静かな旅の相棒たち

持ち物用途メモ
水・お茶水分補給夏季は必須。売店は限られるため持参を。
タオル・手ぬぐい汗拭き・祓い用神社参拝時に便利。
簡易レインウェア天候急変に対応羽黒山は突然の霧雨が多い。
トレッキングポール下りの膝負担軽減特にシニア層におすすめ。
携帯電話写真・安全確保一部電波が弱いため、事前にルート確認を。
御朱印帳記念と祈りの記録五重塔・三神合祭殿の御朱印を集められる。

4-4. 「安全」は美徳であり、文化である

旅の安全を守ることは、自分を守るだけでなく、地域文化を守ることでもあります。
事故や無理な行動は、結果的に地域に負担をかけ、文化財保護にも影響します。

羽黒山の参道では、「安全=調和」。
自分の体調・装備・時間に合わせて歩くことが、
森や神仏に対する“敬意の形”なのです。

便利さやスピードではなく、整えて歩く美しさを選ぶ。
それが、羽黒山という聖地にふさわしい旅人の姿勢。
“安全”という言葉を、もっと豊かで、もっと文化的な言葉として捉えたい。

羽黒山の旅は、そんな新しい価値観を私たちに教えてくれます。

5. アクセス|“聖地へ向かう道の物語”

5-1.羽黒山への道は“旅の序章”

参考:https://yamagatakanko.com/attractions/detail_22.html

羽黒山へ向かう時間は、すでに“祈りの始まり”です。
現代ではアクセス手段が整い、JR鶴岡駅からも容易に訪れることができますが、
かつて修験者たちはこの道を数日かけて歩きました。

彼らにとって道のりは移動ではなく、「心を空にしていく時間」でした。
便利になった今こそ、その感覚を思い出したい。
羽黒山への道を急がず、“静寂へ近づく時間”として過ごすことが、
この旅を豊かにする第一歩です。

5-2. 公共交通で行く——“静かに近づく”という選択

参考:https://www.yutagawaonsen.com/news/hagurosan/

■ 路線バス(鶴岡駅発 羽黒山頂線)

鶴岡駅前から羽黒山頂まで、庄内交通の路線バスが運行しています。
随神門やいでは文化記念館、山頂駐車場など主要な拠点に停車。
季節ダイヤ制で運行されており、春から秋にかけては観光客にも便利です。

所要時間:約45分
料金:大人片道1,200円前後(2025年時点)
運行期間:例年4月〜11月上旬(冬期運休)
最新情報:庄内交通「羽黒山頂線」公式サイト

バスの窓から見える田園と杉林の風景は、
まるで時代を遡るような感覚を与えてくれます。
車内の静けさの中で、自分の中の“旅の心”が整っていくのを感じるでしょう。

https://ymgt.link/wp-admin/post.php?post=3583&action=edit

5-3. 自家用車で行く——自然と対話するドライブ

参考:https://www.tsuruokakanko.com/course/2265

羽黒山へは、マイカーでのアクセスも可能です。
ふもとの随神門周辺には無料駐車場が整備されており、
そこから徒歩で参道に入ることができます。

また、山頂までは「羽黒山有料道路」が通じており、
車でそのまま三神合祭殿付近までアクセス可能です。

羽黒山有料道路(通行料)
・普通車:400円(往復)
・通行時間:8:00〜17:00(季節により変動あり)

この道路は、もともと修験者の巡礼路を避けて整備されたもので、
自然や参拝者の静けさを守るための配慮が随所に見られます。
カーブの多い山道ですが、車窓から眺める杉の稜線は息をのむ美しさ。
スピードを落とし、“自然と対話するドライブ”を心がけましょう。

5-4. 徒歩時間とルートの目安

参考:https://www.andtrip.jp/article/005965.html

  • 随神門 → 五重塔 … 約15〜20分(往復30〜40分)
  • 随神門 → 三神合祭殿(山頂) … 約60〜80分
  • 山頂 → 五重塔(下り) … 約30〜40分

参道は片道約2km、標高差は約240m。
時間だけでなく「光の変化」や「音の移ろい」も味わいながら歩くと、
その一歩一歩がまるで詩のように感じられます。

羽黒山では、“道を味わう”ことが旅の醍醐味。
登ることが目的ではなく、歩くことが目的。
その考え方こそ、羽黒山が何世代にもわたって愛される理由です。

5-5. アクセスの心得——「行き方」ではなく「向かい方」

羽黒山は、目的地に到着することよりも、
その過程をどう過ごすかが重要な場所です。

便利な手段を選んでも、心の速度は自分で決められる。
静かに移動し、景色を眺め、季節の匂いを感じる。
それが、現代の「巡礼」の形かもしれません。

車やバスもまた、現代の“参道”。
大切なのは、“急がず、整えて行く”という心構えです。
それが、羽黒山という聖地にふさわしいアクセスの仕方。

6. 季節の楽しみ方|“静けさの四季”を歩く

参考:https://www.tsuruokakanko.com/course/3428

羽黒山の魅力は、四季それぞれに“時間の密度”が違うことです。
春夏秋冬、同じ道を歩いても、音も香りも光もまるで別の山のよう。
それぞれの季節が、人の内面を静かに映し出してくれます。

自然を「観光資源」としてではなく、
“心の鏡”として感じ取る旅——それが羽黒山の歩き方です。

6-1. 春|祓いの季節、再生の息吹を感じる

羽黒山は季節によって全く異なる表情を見せます。
季節を意識して歩くことは、自然と人間の時間の流れを感じる文化的体験でもあります。

自然のリズムに合わせて旅を設計すること。それが羽黒山

雪が溶け、杉の根が再び息を吹き返す頃、
羽黒山の参道には水の音が戻ります。

清流・祓川(はらいがわ)の音は、まるで山が目を覚ます合図。
道端の小さな花や、苔に落ちる光の粒が、冬の静寂を優しく解いていきます。

春の羽黒山は、「祓いと再生」の象徴。
修験道では、この季節を“生の始まり”と捉え、
新しい年の修行や祈りをここから始めるのが習わしでした。

朝の冷涼な空気の中を歩けば、
自分の中にも新しい季節が芽吹くような感覚に包まれます。

おすすめの時間帯:朝7〜9時(観光客が少なく、光が柔らかい)
服装の目安:薄手の防風アウター+重ね着で調整を。

6-2. 夏|森が呼吸する、“天然の聖域”

参考:https://mokkedano.net/event/41795

夏の羽黒山は、まさに“森が主役”の季節。
湿度を帯びた空気が、緑の匂いを強く運び、
石段の上に差し込む木漏れ日が、まるで祈りの光のように揺らめきます。

真夏でも、杉林の中は街より2〜3℃低く、天然のクーラーのよう。
歩くごとに汗が引き、体も心も整っていく——
そんな“歩く瞑想”が自然に生まれるのがこの季節です。

修験者の言葉に「暑さは煩悩を流す」という教えがあります。
汗を流し、息を整え、静かに進む。
その行為がすでに修行であり、文化的体験そのものです。

おすすめ時間:午前8〜10時または夕方16時以降。
注意点:水分補給を忘れずに。虫よけと帽子を携帯。

6-3. 秋|色彩と静寂の交響曲

参考:https://note.com/yota_nakamura/n/nb735f0029a48

羽黒山が最も美しいとされるのが秋。
紅葉と杉の緑が織りなす色のグラデーションは、
まるで古典絵巻のような調和を見せます。

石段の上を落ち葉が舞い、風が杉を揺らす音が心に響く。
そこにあるのは、観光ではなく**「時間の美」**です。

古来より、出羽三山は「死と再生」の象徴とされ、
秋の参拝は“自分の過去を手放す儀式”でもありました。
歩きながら、これまでの季節や日々を静かに見送り、
新しい自分に出会う——そんな内省の時間が流れます。

おすすめ時期:10月下旬〜11月初旬
混雑回避:平日の午前中(9〜10時台)が最も静か
撮影ポイント:五重塔前・祓川橋・随神門入口

6-4. 冬|沈黙の美学、白の世界に立つ塔

参考:https://travel.rakuten.co.jp/mytrip/howto/dewasanzan-zekkei

冬の羽黒山は、まるで別世界です。
一面の雪に包まれ、すべての音が吸い込まれていく。
その静けさは、言葉すら届かない“沈黙の聖域”。

積雪期は石段の一部が通行止めになりますが、
山頂側から車でアクセスすれば、雪化粧した三神合祭殿や杉林の一端を味わうことができます。

冬の旅は“訪れない勇気”もまた一つの知恵です。
安全と自然の尊厳を守ることも、文化的マナーの一部。

もしも訪れるなら、完全防寒装備の上で——
白の中に立つ五重塔を見た瞬間、
時間の概念が一瞬止まるような感覚に出会えるでしょう。

注意点:凍結・落雪に注意。
推奨:山頂側からのアクセス+現地の最新情報を確認。

6-5. 四季を通して学ぶ“静寂の倫理”

羽黒山の四季は、単なる自然現象ではありません。
それぞれが人の生き方と呼応しています。

  • 春:生まれ変わることの希望
  • 夏:歩み続けることの力
  • 秋:手放すことの美しさ
  • 冬:沈黙の中の祈り

これらを体で感じながら歩くと、
季節が“時間”ではなく“哲学”に変わります。

旅の本質とは、どこへ行くかではなく、
どんな時間を自分の中に残すか
羽黒山は、まさにその答えを教えてくれる山です。

7. 学び・食・静けさをつなぐ、羽黒山周辺の立ち寄りスポット

羽黒山の旅は、山を下りてからも終わりません。
“歩く祈り”の余韻を抱えたまま、
次に訪れる場所でその意味を「理解・味わう・沈める」という三段階で深めていく。

鶴岡には、その流れを受け止める場所が点在しています。
それぞれが、羽黒山の文化・自然・精神性を別の角度で照らしてくれます。

7-1. 【学び】いでは文化記念館

(徒歩圏内・随神門付近)

参考:https://www.tsuruokakanko.com/spot/294

出羽三山の歴史と修験道文化を体感できる、羽黒山の“学びの玄関口”。
山伏の修行映像や、神仏習合を象徴する展示、
そして「羽黒派古修験道」の伝統資料などが豊富に揃っています。

展示の中で印象的なのは、“山に生きる”という思想。
人間が自然と対話し、共に暮らしてきた東北の精神性が凝縮されています。

おすすめの回り方
五重塔を見たあと、いでは文化記念館でその背景を知る。
体験→理解という流れで歩くと、旅が“文化体験”に変わります。

所在地:山形県鶴岡市羽黒町手向字院主南72
開館時間:9:00〜16:30(冬期は休館あり)
入館料:大人500円

7-2. 【食】精進料理「斎館(さいかん)」

(羽黒山山頂・三神合祭殿すぐそば)

参考:https://yamagatakanko.com/attractions/detail_3811.html

羽黒山の信仰の中心にある「食の祈り」。
肉や魚を使わず、山菜・豆腐・胡麻豆腐・旬の野菜などを中心に構成された料理は、
単なる食事ではなく、「自然をいただく哲学」そのものです。

味は淡く、香りは深い。
出汁の一滴に至るまで、山の恵みと職人の心が溶け込んでいます。

斎館では、宿坊体験と合わせて精進料理を味わうことも可能。
食を通して“整う”時間を過ごしたい方には最適です。

おすすめの楽しみ方
五重塔参拝後に昼食としていただくと、歩いた疲れが“浄化の時間”に変わります。

所在地:山形県鶴岡市羽黒町手向字羽黒山33
営業時間:11:00〜15:00(予約推奨)
予算:2,000円前後

7-3. 【静けさ】湯田川温泉|“湯と風の文学郷”

(羽黒山から車で約30分)

参考:https://www.tsuruokakanko.com/spot/473

羽黒山を下山したあと、静かに一泊したい人におすすめなのが「湯田川温泉」。
奈良時代に開湯した歴史を持ち、“庄内の奥座敷”とも呼ばれる温泉地です。

この地の魅力は、派手さではなく「音の少なさ」。
湯の流れる音、木の軋む音、風が障子を揺らす音。
そのすべてが、羽黒山で感じた“静けさの余韻”と響き合います。

かつて俳人・松尾芭蕉もこの地を通り、
“閑さや岩にしみ入る蝉の声”の句を詠んだと伝わる場所でもあります。

おすすめ宿

  • 九兵衛旅館(伝統とモダンの融合)
  • 珠玉や(文化財のような木造宿)

所在地:山形県鶴岡市湯田川
アクセス:鶴岡駅からバスまたはタクシー約20分

7-4. 【静謐】加茂水族館|“海の透明な祈り”

(羽黒山から車で約35分)

参考:https://mokkedano.net/course/41348

海の生き物と“静寂”をテーマにした、世界最大級のクラゲ展示館。
羽黒山の森の静けさとは対照的に、
加茂水族館は“水の静けさ”を通して生命を見つめ直す場所です。

光に揺らめくクラゲたちは、まるで瞑想のよう。
訪れる人の呼吸をゆっくりと整えてくれます。
「歩く瞑想」から「見る瞑想」へ——
羽黒山とセットで巡ることで、**“静けさの二重奏”**が完成します。

所在地:山形県鶴岡市今泉大久保657-1
営業時間:9:00〜17:00
入館料:大人1,000円

7-5. 【地域文化】庄内観光物産館

(お土産・地産の食文化体験)

参考:https://tsuruoka-sakata.goguynet.jp/2020/06/21/genki-iti/

旅の締めくくりには、庄内の食と工芸を感じられる物産館へ。
“持ち帰るのはモノではなく文化”という意識で選ぶのがおすすめです。

羽黒山の杉を使った木工品や、
出羽三山信仰にちなんだ地酒・甘酒など、
手に取るだけで“土地の記憶”が蘇るような品が並びます。

地域経済に直接つながる購入は、
サステナブルな観光の一環でもあります。

所在地:山形県鶴岡市布目字中通80-1
営業時間:9:00〜17:00

7-6. “歩く旅”を文化で締めくくる

羽黒山を歩くことは、過去と今をつなぐ行為です。
その歩みを終えたあと、どこへ寄り、何を見て、何を食べるか。
それもまた、文化の一部です。

歩くことで感じた“静寂”を、学び・食・温泉・海で反芻する。
それは、消費ではなく「循環する旅」。

文化を味わい、地域を支え、
そして自分の中に“静けさ”を持ち帰る——
それが、DEWAが提案する新しい山形の旅のかたちです。

8. まとめ|“量ではなく深さ”を連れて帰る旅

参考:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%BE%BD%E9%BB%92%E5%B1%B1%E4%BA%94%E9%87%8D%E5%A1%94

羽黒山は、見る山ではなく、感じる山です。
そこに立つ五重塔は、木でありながら時を超え、
歩く道は、石でありながら心を柔らかくする。

この山が教えてくれるのは、
“何を見るか”ではなく、“どう感じるか”という旅の本質です。

8-1. 自然と建築に学ぶ「日本の呼吸」

五重塔の木組みは、職人たちが木と対話しながら刻んだ「沈黙の芸術」。
そこには、合理や効率ではなく、自然と共に呼吸する美学が息づいています。

羽黒山の杉並木もまた、ただの風景ではありません。
何百年という時間を通して、人と自然が互いを傷つけずに共存してきた“関係性の証”。
その在り方は、今の私たちが忘れかけている「共に生きる知恵」です。

文化とは、過去の遺物ではなく、今も呼吸している思想
羽黒山の旅は、それを静かに体で思い出させてくれます。

8-2. “観光”ではなく“対話”を

羽黒山の魅力を言葉にするなら、それは「対話の山」。
自然と対話し、建築と対話し、自分の内側とも対話する場所。

DEWAが発信したいのは、“観光=消費”ではない旅のかたちです。
私たちは「何かを見る」ためではなく、「何かと話す」ために旅をする。
その対象が山であり、文化であり、人であり、自分自身なのです。

静けさの中で生まれる小さな気づきこそが、
旅が本物になる瞬間。

8-3. サステナブルとは「続けることの美」

羽黒山を歩くと、自然がいかに“続いてきた”かを実感します。
その継続を支えてきたのは、人の手と祈りのバランスでした。

サステナブルとは、ただ資源を守ることではありません。
「文化と人の心が続くこと」が本当の持続可能性です。

訪れる人がマナーを守り、地域が文化を受け継ぎ、
旅人と地元が共に未来を紡ぐ——
この循環こそが、羽黒山の静けさを未来へ渡す最も美しい形です。

8-4. “静けさ”は、最高の贅沢

現代は情報も、モノも、旅先もあふれています。
けれど、心が本当に求めているのは“静けさ”かもしれません。

羽黒山を歩いていると、何もないことの豊かさに気づきます。
鳥の声、木漏れ日、木の香り。
それだけで、人は満たされる。

旅の価値は“量”ではなく“深さ”。
どれだけ遠くへ行ったかよりも、どれだけ深く感じたか。
羽黒山は、その問いへの答えを静かに示してくれます。

8-5. DEWAが伝えたい、新しい旅の形

DEWAは、山形という土地から「文化的観光」の再定義を発信します。
それは、歴史・自然・人の生き方を“学び”として体験する旅。
観光地を消費するのではなく、共に残す旅

羽黒山をはじめ、山形各地には、
まだ言葉にならない“日本の原風景”が息づいています。
DEWAはその声を拾い、未来へつなぐメディアでありたい。

“静けさを旅する人”を増やすこと。
それが、私たちが目指すサステナブルツーリズムの形です。

8-6. 旅の終わりに

帰り道、車の窓から杉林を見送るとき、
心のどこかで、あの静けさがまだ響いていることに気づくでしょう。

それはもう「観光の記憶」ではありません。
あなた自身の中に根づいた“文化の記憶”です。

その記憶を胸に、またどこかで誰かの文化を尊ぶ。
そうして旅は、永遠に続いていくのです。

▶参考

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