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2026.08.15

日本最大級の大鍋の芋煮を、重機がすくって配る祭りが、山形にある

夜が明けきらない馬見ヶ崎川の河川敷に、重さ4トンの鍋が横たわっている。直径6.5メートル、大人が両手を広げても届かないその鍋の名は「鍋太郎」。中には水と里芋、こんにゃくが投じられ、薪に火が入る。沸騰まで約1時間半。そこから醤油、砂糖、隠し味の日本酒、牛肉、ねぎが次々と加えられ、じっくり4時間かけて煮込まれていく。

そして迎える完成の瞬間。クレーンが鍋の蓋を吊り上げると、大量の湯気とともに、待ちわびた来場者から歓声が上がる。仕上げの盛り付けを担うのは、お玉ではなく、なんと建設用の重機「バックホー」。そのバケットが一度にすくう芋煮は、およそ100食分――。

これが、山形市で毎年9月に開催される「日本一の芋煮会フェスティバル」です。「芋煮会」という郷土行事を、規格外のスケールで体験できるお祭りとして、県内外から多くの人が訪れます。この記事では、2026年の開催情報から、当日の見どころ、チケットの取り方、アクセス・駐車場、混雑を避けるコツまで、実際に行きたいと思った方が知っておきたい情報をまとめました。

30秒でわかる、日本一の芋煮会フェスティバル

項目内容
名称山形名物 第38回「日本一の芋煮会フェスティバル」
開催日2026年9月20日(日)※雨天決行、荒天の場合は中止の可能性あり
時間整理券配布 8:30〜/配食開始 9:20〜(いずれもなくなり次第終了)
場所山形市馬見ヶ崎川河川敷(双月橋付近)
参加方法協賛金を支払い整理券と交換(事前受付「teket」600円〜/当日受付700円〜)
配食予定数約30,000食
アクセス会場付近に駐車場なし。指定駐車場からシャトルバス利用が基本

参考:開催概要|日本一の芋煮会フェスティバル

見どころ①:直径6.5m、重さ4トンの大鍋「鍋太郎」

参考:https://imoni-fes.jp/about_imoni_festival/

このフェスティバルが「日本一」を名乗る最大の理由が、この大鍋です。1989年の第1回開催から使われ続けている大鍋「鍋太郎」は、現在3代目。直径6.5m、重さ4トンという、もはや鍋という言葉のイメージを超えたサイズです。

その大きさゆえに、運搬・設置・調理・撤去・洗浄のすべての工程で10トンクレーン車が欠かせません。鍋が大きければ蓋も大きく、調理中の蓋の開け閉めさえクレーン任せ。調理前の洗浄は、大浴場の清掃さながら、10人がかりで半日を要するといいます。鍋を支えるかまど(五徳)は建築用の大型L字溝を組んで作られ、その直径は約6m。くべられる薪の量は、なんと6トン超。芋煮会シーズンの風物詩を、規格外のスケールで見られるのがこのお祭りの最大の魅力です。

見どころ②:重機「バックホー」が、お玉に変わる瞬間

配食開始からおよそ4時間ほどの間に、何万食もの芋煮を配りきる。この難題を解決するために考案されたのが、建設用重機「バックホー」を盛り付けに使うというアイデアです。低燃費・低振動・低騒音で作業性に定評のあるこの重機のバケットが一度にすくう芋煮は、およそ100食分。会場では2台のバックホーが大鍋の真横でフル稼働し、大迫力のパフォーマンスを見せてくれます。

参考:https://www.yomiuri.co.jp/national/20220918-OYT1T50098/

「工事現場の重機をそのまま使って衛生面は大丈夫?」と思う方も多いはず。実はここにも徹底したこだわりがあります。使用するバックホーは生産されて間もない新品限定。納品後はオイルやグリスをすべて分解・洗浄し、家庭用洗剤で丁寧に洗い上げたうえで、可動部には食用バターを塗り込み、バケットは厳重に保護されたオールステンレス製に交換。すべて手作業で、衛生面をクリアした特別仕様に生まれ変わってから会場に登場します。重機が調理器具に変わる、他では見られない光景です。

見どころ③:ギネス世界記録にも認定された実績

参考:『日本一から世界一へ!』山形名物の芋煮会フェスティバルで、ギネス世界記録達成|ギネス世界記録

2018年(平成30年)、第30回大会では「8時間で最も多く提供されたスープ(Most soup served in 8 hours)」部門で12,695食を記録し、ギネス世界記録に認定されました。単なる”大きなお祭り”ではなく、数字でも裏付けられた”日本一”であることが、このフェスティバルの説得力になっています。

いつ、どこで開催?2026年の開催情報

参考:開催概要|日本一の芋煮会フェスティバル

  • 開催日:2026年9月20日(日)※雨天決行、荒天の場合は中止の可能性あり
  • 場所:山形市馬見ヶ崎川河川敷(双月橋付近)
  • 整理券配布:8:30〜(なくなり次第終了)
  • 配食開始:9:20〜(なくなり次第終了)
  • 配食予定数:約30,000食
  • 主催:日本一の芋煮会フェスティバル協議会/山形市/山形商工会議所/山形商工会議所青年部

雨天でも中止にはならず開催されますが、大雨・荒天時は国土交通省や山形市消防本部など関係各所の指導のもと開催の可否が判断され、公式サイトで告知されます。当日の天気予報は事前にチェックしておきましょう。

芋煮の受け取り方(チケット・整理券について)

参考:開催概要|日本一の芋煮会フェスティバル

このフェスティバルの芋煮は無料配布ではなく、協賛金という形での参加になります。受け取り方法は主に2つです。

  • 事前受付チケット(電子チケット「teket」):600円以上の協賛で整理券1枚と交換。売り切れ次第終了。受け取り希望の時間帯を選んで申し込むと、QRコードが発行され、当日は指定の時間帯にゲートでQRコードを読み取ってもらうだけでスムーズに受け取れます。整理券への引き換えは不要です。
  • 当日受付整理券:会場で700円以上の協賛、または協賛チケット1枚で整理券1枚と交換。8:30〜配布開始で、なくなり次第終了です。

なお、山形市・仙台市の両MaaS(マース)サイトでもデジタルチケットを取り扱っています。確実に受け取りたい方は、並ばずに済む事前受付チケットの利用がおすすめです。teketでのゲスト購入は返金不可、開催後のアンケート送付もできない点は事前に理解しておきましょう。

もっとゆったり楽しみたい人へ:芋煮茶屋(有料座席)

参考:芋煮茶屋(有料座席)のご案内|日本一の芋煮会フェスティバル

行列に並ばず、座って落ち着いて食べたいという方には「芋煮茶屋」という選択肢もあります。大型テントの特設会場に全席予約制で入場でき、山形名物の牛肉しょうゆ味の芋煮(おかわり自由)に特製メニュー1品、お水、おにぎりがセットになったプレミアムな内容。500円分のクーポン券も付き、会場では東北四大まつりのひとつ「山形花笠踊り」の鑑賞も楽しめます。

  • 開催日:2026年9月20日(日)
  • 午前の部:10:00〜11:30(9:30開場)
  • 午後の部:13:00〜14:30(12:30開場)
  • 料金:大人(中学生以上)4,500円/小学生以下2,200円
  • 販売期間:2026年7月1日(水)12:00〜9月17日(木)22:00まで(インターネットチケット「CNプレイガイド」にて販売、満席になり次第終了)
  • 注意点:購入後のキャンセル不可、ペット同伴不可、午前と午後のチケットの相互利用は不可

家族連れや、混雑が心配な方、じっくり写真を撮りたい方には特に向いている選択肢です。

アクセス・駐車場:会場周辺に駐車場はありません

会場付近には駐車場がないため、車で行く場合は指定駐車場からシャトルバスに乗り換えるのが基本ルートです。事前にルートを決めておくと当日スムーズです。

車で行く場合

  • 無料駐車場:山形県庁駐車場(約800台)/山形市公設地方卸売市場(約500台)
  • 上記から会場まで有料シャトルバスを運行(8:00〜16:00、約5分間隔)
    • 運賃(片道):高校生以上300円/小中学生100円/未就学児無料(現金のみ)
  • 特別無料シャトルバス:山形商工会議所駐車場⇔会場
  • 県庁駐車場は特に混雑が予想されるため、公共交通機関の利用が推奨されています

電車・バスで行く場合

  • JR山形駅東口から山交バス「沼の辺行」に乗車し「山形消防署前」で下車(片道280円)
  • 帰りは「山形消防署前」から「東海大学山形高前行き」(山形駅東口下車)または「かみのやま温泉高松葉山行き」(山形駅西口下車)が利用可能

その他

  • 自転車の場合、会場近辺の河川敷内に駐輪場あり
  • バイクでの入場は不可
  • 会場付近は交通規制がかかり、路上駐車は禁止されています

参考:会場案内/アクセス|日本一の芋煮会フェスティバル

当日困らないための、よくある質問

Q. 雨が降ったら中止になりますか? 基本的には雨天決行です。大雨・荒天時のみ、国土交通省や山形市消防本部などの指導のもと開催可否が判断され、公式サイトで告知されます。

Q. 会場内で食べられますか? 会場内はどこでも飲食可能です。芋煮のほか、ご当地グルメの出店も楽しめます。

Q. トイレはありますか? 会場内にあります。詳細な場所は当日の会場マップで確認できます。

Q. チケットに記載の時間より早く芋煮を受け取れますか? 記載時間の範囲外での受け渡しはできません。ただし、配食予定数は十分に用意されているため、時間内であれば受け取れなくなる心配は基本的にありません。

Q. お土産用に芋煮を購入・発送できますか? 「山形うまいずMARKET」のサイトから、事務局公認の特製芋煮セットを購入できます。現地に行けなかった人へのお土産にもおすすめです。

Q. 都合が悪くなった場合、返金してもらえますか? このフェスティバルは協賛金という形での参加のため、返金対応は行っていません。

参考:よくある質問と回答|日本一の芋煮会フェスティバル

なぜ山形はここまでやるのか?誕生のきっかけ

参考:第1回ヒストリー:日本一の芋煮会フェスティバルの誕生|日本一の芋煮会フェスティバル

このフェスティバルが始まったのは1989年(平成元年)9月3日。きっかけは、あるアンケート結果だったといいます。「山形県の色は?」という質問に対する回答の1位が「灰色」――理由は「山形には何もないから」というものでした。この結果に衝撃を受けた山形商工会議所のメンバーが、下関市の名物「フグちり鍋」を視察した際、大きな鍋に着目。「あの鍋をうちの芋煮でやれないか」という一言から、このフェスティバルは生まれました。

初代の鍋は直径5.6m。1992年(第4回)に2代目・直径6mへ、そして2018年(第30回)に現在の3代目・直径6.5m「鍋太郎」へと代替わりしてきました。「何もない」と言われたことへの悔しさから始まったお祭りは、今や県外・海外からも人が訪れる、山形を代表するイベントに育っています。

まとめ:一度は見ておきたい、規格外の秋祭り

  • 開催日:2026年9月20日(日)/山形市馬見ヶ崎川河川敷
  • 見どころ:直径6.5m・重さ4トンの大鍋「鍋太郎」と、重機バックホーによる盛り付け
  • 参加方法:事前受付チケット(teket)または当日整理券、ゆったり楽しむなら芋煮茶屋(有料座席)
  • アクセス:会場付近に駐車場なし。指定駐車場からのシャトルバスか公共交通機関が基本

4トンの鍋、6トンの薪、重機で盛り付けられる芋煮――写真や映像で見るのと、実際にその湯気と歓声の中に立つのとでは、まったく違う体験になるはずです。チケットは事前に売り切れることもあるため、行くと決めたら早めの予約がおすすめです。この秋は、山形の”格外”な芋煮会を見に出かけてみませんか?

筆者:髙橋 直也

タグ

#グルメ #美食 #観光地 #歴史 #文化

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