山形駅から歩いて10〜15分ほど。大きなお堀と石垣の向こうに、復原された立派な城門が見えてきます。
ここが「霞城公園」の愛称で親しまれている、国指定史跡・山形城跡です。
山形城は天守を持たない城でしたが、本丸・二ノ丸・三ノ丸を三重の堀と土塁で囲んだ、全国有数の規模を誇る平城でした。現在の霞城公園だけでも広さは約35.9ヘクタール。東京ドーム約7.7個分に相当します。
「城跡というより公園?」「見どころは少ないのでは?」と思う人もいるかもしれませんが、山形城跡は2006年に「日本100名城」に選定された本格的な史跡です。
この記事では、山形城跡(霞城公園)を訪れる前に知っておきたい見どころ・アクセス・駐車場・御城印・日本100名城スタンプから、山形城の歴史までまとめて紹介します。
30秒でわかる!国指定史跡 山形城跡(霞城公園)の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 国指定史跡 山形城跡(霞城公園) |
| 史跡指定 | 1986年(昭和61年) 国指定史跡 |
| 築城 | 1357年ごろ、斯波兼頼が築城したと伝えられる |
| 広さ | 約35.9ヘクタール(東京ドーム約7.7個分) |
| 入園料 | 無料(園内施設で料金が必要な場合あり) |
| 開園時間 | 4/1〜10/31:5:00〜22:00/11/1〜3/31:5:30〜22:00 |
| 休園日 | 年中無休 |
| 駐車場 | 無料・230台(身体障がい者等用5台、小型・マイクロバス用5台を含む) |
| アクセス | JR山形駅東口から東大手門まで徒歩約15分/西口から南門まで徒歩約10分 |
| 桜 | 約1,500本。山形市内随一の桜の名所 |
| 御城印 | 最上義光歴史館で販売 |
| 日本100名城スタンプ | 二ノ丸東大手門櫓・山形市郷土館・最上義光歴史館 |
「え、これ全部城跡だったの?」霞城公園の見どころ

参考:https://online.bunka.go.jp/heritages/detail/204783
霞城公園は、ただ広いだけの公園ではありません。
現在の公園は山形城跡の本丸と二ノ丸を中心に整備されており、園内には復原された城郭建築や石垣、堀などの史跡が残されています。
さらに、山形市郷土館や山形県立博物館などの文化施設もあり、歩きながら山形の歴史に触れられる場所になっています。
二ノ丸東大手門櫓(にのまるひがしおおてもんやぐら)

参考:https://www.tohokukanko.jp/attractions/detail_1336.html
公園の東側にある、山形城の正面玄関にあたる門です。
明治初期の古写真や江戸時代の城絵図、発掘調査の成果などをもとに、櫓・高麗門・土塀が1991年(平成3年)に復原されました。
櫓内部も期間限定で一般公開されており、山形城の古地図や発掘調査で出土した瓦などの遺物、復原工事に関する資料、山形城の復原模型などを見ることができます。
山形駅東口から向かう場合、霞城公園の代表的な入口となる場所です。
本丸一文字門

参考:https://kojodan.jp/castle/40/memo/1979.html
東大手門から園内を進んだ先にあるのが、本丸一文字門です。
本丸の正面口にあたる重要な場所で、発掘調査や史料調査の成果をもとに、石垣や大手橋、高麗門などの復原整備が進められてきました。
高麗門は2013年(平成25年)に復原されています。
堀や石垣、大手橋、門が一体となった景観から、かつての山形城の本丸入口がどのような姿だったのかを感じられるスポットです。
最上義光騎馬像と最上義光歴史館

参考:https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shiseijoho/shicho/1006787/1006792/1005480.html
※騎馬像が向いている方角については「1600年の慶長出羽合戦で激戦地となった長谷堂城の方向」という説がよく紹介されますが、山形市などの公式情報では確認が取れませんでした。この点は参考情報としてご留意ください。
公園のすぐ近くにある最上義光歴史館では、最上氏や最上義光に関する歴史資料を無料で見学できます。
山形城の歴史をより深く知りたい人は、霞城公園とあわせて立ち寄りたい施設です。
山形市郷土館(旧済生館本館)

参考:https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/shisetsu/bunkasports/1008032/1005895.html
霞城公園内でひときわ目を引く洋風建築が「山形市郷土館」です。
旧済生館本館として1878年(明治11年)に建てられた建物で、1966年(昭和41年)に国の重要文化財に指定されました。
その後、霞城公園内へ移築復原され、1969年(昭和44年)に工事が完了しています。
城跡の中に明治時代の洋風建築が建つという、霞城公園ならではの風景も見どころのひとつです。
アクセス・駐車場・開園時間
アクセス
- 電車:JR山形駅東口から東大手門まで徒歩約15分
- 電車:JR山形駅西口から南門まで徒歩約10分
- バス:ベニちゃんバス「霞城公園前」下車、東大手門まで徒歩約5分
- 車:山形自動車道・山形蔵王ICから約15〜20分
山形駅から徒歩圏内にあるため、車を使わない山形観光でも立ち寄りやすいスポットです。
駐車場
霞城公園内には無料駐車場があります。
駐車台数は230台で、身体障がい者等用駐車スペース5台、小型・マイクロバス用スペース5台を含みます。
なお、車両の出入りは「北門のみ」となっているので注意してください。
駐車場の事前予約はできません。
開園時間
- 4月1日〜10月31日:5:00〜22:00
- 11月1日〜3月31日:5:30〜22:00
- 休園日:年中無休
公園自体は入園無料で、早朝から夜まで散策できます。
ただし、二ノ丸東大手門櫓や最上義光歴史館、山形市郷土館などは、それぞれ公開時間が異なります。
二ノ丸東大手門櫓の公開時間【2026年度】
2026年度(令和8年度)の二ノ丸東大手門櫓の公開期間は、4月3日(金)〜11月2日(月)です。
通常の公開時間は次のとおりです。
- 4〜6月・9〜11月:9:30〜16:00
- 7〜8月:9:30〜17:00
- 入館料:無料
2026年度は観桜会や大型連休、花笠まつりにあわせて公開時間の延長も実施されています。
公開期間・時間は年度によって変更される可能性があるため、訪問前に山形市公式サイトで最新情報を確認してください。
最上義光歴史館・山形市郷土館
最上義光歴史館
- 開館時間:9:00〜17:00
- 最終受付:16:30
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
- 入館料:無料
展示替えやイベントなどにより臨時休館・臨時開館となる場合があります。
山形市郷土館
- 開館時間:9:00〜16:30
- 休館日:12月29日〜1月3日
- 入館料:無料
御城印・日本100名城スタンプはここでもらえる

参考:https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/kurashi/koen/1006541/1011174/1011175.html
山形城を訪れた記念に集めたいのが「御城印」と「日本100名城スタンプ」です。
山形城の御城印

参考:https://collection.kojodan.jp/gojyoin/item/6387/
山形城の公式御城印は、最上義光歴史館で販売されています。
- 販売場所:最上義光歴史館
- 通常版:1枚300円
- 販売時間:最上義光歴史館の開館時間中
なお、以前販売されていた特別版御城印は2025年9月30日で販売を終了しています。
日本100名城スタンプ
山形城は2006年(平成18年)に日本100名城に選定されています。
スタンプの設置場所は次の3カ所です。
- 山形城跡二ノ丸東大手門櫓
- 山形市郷土館
- 最上義光歴史館
12月29日〜1月3日に限り、上記施設ではなく「山形市観光案内センター」のみで押印できます。
御城印と100名城スタンプの両方を集めたい人は、最上義光歴史館に立ち寄ると便利です。
春の霞城公園は約1,500本の桜が咲く名所

参考:https://yamagatakanko.com/attractions/detail_2304.html
霞城公園は、山形市を代表する桜の名所でもあります。
園内には約1,500本の桜があり、山形市公式サイトでも「市内随一の桜の名所」と紹介されています。
例年春には「霞城観桜会」も開催され、桜の開花にあわせて多くの花見客でにぎわいます。
夜にはライトアップが行われる年もあり、お堀の水面と石垣、桜が織りなす幻想的な風景を楽しめます。
ライトアップの開催期間や時間は桜の開花状況などによって変わるため、その年の「霞城観桜会」の最新情報を確認してから訪れるのがおすすめです。
実は山形城には天守がなかった?
「山形城」という名前から、大きな天守をイメージする人もいるかもしれません。
しかし、山形城には天守がありませんでした。
その代わり、本丸・二ノ丸・三ノ丸を三重の堀と土塁で囲む「輪郭式」の平城で、全国有数の規模を持つ城郭でした。
現在の霞城公園は山形城跡の本丸・二ノ丸部分を中心に整備された公園です。
つまり、現在の霞城公園だけを見ても、かつての山形城全体の大きさではありません。
実際に園内を歩いてみると、山形城が非常に大規模な城だったことがわかります。
意外と知らない、山形城の誕生秘話
山形城の歴史は、南北朝時代までさかのぼります。
1356年(延文元年)、羽州探題として山形に入った斯波兼頼(しば かねより)が、翌1357年に山形城を築いたと伝えられています。
兼頼の子孫は「最上氏」を名乗り、山形城を拠点として勢力を広げていきました。
最上義光によって巨大な城郭へ
山形城を大きく発展させたのが、第11代城主・最上義光です。
現在の山形城の城郭は、義光が築いたものを原型としているとされています。
本丸・二ノ丸・三ノ丸を三重の堀と土塁で囲む大規模な平城が整備され、その周囲には城下町が形成されました。
1600年(慶長5年)の慶長出羽合戦では、最上氏と上杉氏が激突。
その後、義光は57万石の大名となり、山形城はその本城として最盛期を迎えました。
最上氏改易後、鳥居忠政が大改修
1622年(元和8年)、最上氏は御家騒動などを背景に改易となります。
その後、山形城には鳥居忠政が入りました。
現在残っている二ノ丸の堀や土塁、石垣などは、最上氏改易後に鳥居忠政によって整備されたものと伝えられています。
そのため現在の山形城跡には、最上義光時代を原型としながら、その後の改修によって形成された城郭の姿が残されています。
明治時代には陸軍の駐屯地へ
明治時代になると山形城は役割を終え、城内には陸軍の施設が置かれるようになります。
城郭建築の多くが失われ、本丸の堀なども埋め立てられました。
その後、山形城跡は1986年(昭和61年)に国の史跡に指定。
2006年(平成18年)には日本100名城に選定されました。
現在も史料調査や発掘調査の成果をもとに復原整備が進められており、二ノ丸東大手門や本丸一文字門などから、かつての山形城の姿を感じることができます。
よくある質問
Q. 見学の所要時間はどれくらいですか?
東大手門や本丸一文字門、最上義光騎馬像などを中心に散策するなら、30分〜1時間ほどがひとつの目安です。
最上義光歴史館や山形市郷土館などもあわせてじっくり見学する場合は、1〜2時間程度みておくと余裕があります。
Q. 入園料はかかりますか?
霞城公園への入園は無料です。
二ノ丸東大手門櫓、最上義光歴史館、山形市郷土館も無料で見学できます。
御城印などの記念品は有料です。
Q. 駐車場は無料ですか?
霞城公園内には230台分の無料駐車場があります。
ただし、車両の出入りは北門のみです。
桜のシーズンやイベント開催時などは混雑が予想されるため、山形駅から徒歩や公共交通機関を利用する方法もおすすめです。
Q. 山形駅から歩いて行けますか?
歩いて行けます。
JR山形駅東口から二ノ丸東大手門まで徒歩約15分、西口から南門までは徒歩約10分です。
Q. 山形城に天守はありますか?
ありません。
山形城にはもともと天守がなく、本丸には御殿などが置かれていました。
天守はありませんが、本丸・二ノ丸・三ノ丸を三重の堀と土塁で囲んだ全国有数の規模を持つ平城でした。
Q. 御城印はどこで買えますか?
最上義光歴史館で購入できます。
通常版は1枚300円で、歴史館の開館時間中に販売されています。
Q. 雨の日でも楽しめますか?
最上義光歴史館や山形市郷土館などの屋内施設は、雨の日でも見学できます。
一方、城跡の見学は屋外が中心になるため、雨の日は歩きやすい靴や雨具を準備しておくと安心です。
まとめ
霞城公園こと山形城跡は、「広い公園」だけでは語れない、山形の歴史を象徴する国指定史跡です。
山形城には天守こそありませんでしたが、本丸・二ノ丸・三ノ丸を三重の堀と土塁で囲んだ全国有数の規模を誇る平城でした。
現在も復原された二ノ丸東大手門や本丸一文字門、最上義光騎馬像、国の重要文化財である山形市郷土館など、見どころが数多く残っています。
さらに春には約1,500本の桜が咲き、山形市内随一の桜の名所として多くの人でにぎわいます。
JR山形駅から徒歩約10〜15分、入園無料、駐車場も無料とアクセスしやすいのも魅力。
山形駅周辺を観光するなら、最上義光が築いた山形城のスケールを感じながら、霞城公園をゆっくり歩いてみてはいかがでしょうか。