国宝と羽黒山五重塔を歩く旅で、自然と歴史に包まれる特別な時間を。2,446段の石段を登る“ゆるトレッキング”で心も体もリフレッシュ。季節ごとに変わる絶景と、600年の時を超えた静寂があなたを待っています。

1. 羽黒山五重塔を訪れる魅力

参考:https://www.tsuruokakanko.com/spot/256

1-1.歴史と自然が調和する場所:羽黒山の魅力とは

羽黒山(はぐろさん)は、出羽三山(でわさんざん)のひとつに数えられ、豊かな自然と深い信仰の歴史が交差する、まさに“心の聖地”です。

その魅力は、大自然に包まれた霊山としての風格と、1000年以上にわたる修験道(しゅげんどう)の歴史、そして国宝「羽黒山五重塔」が織りなす荘厳な雰囲気にあります。出羽三山とは、羽黒山・月山・湯殿山の三山のことで、「生・死・再生」の象徴として崇敬を集めてきました。

羽黒山には、国指定特別天然記念物でもある樹齢300〜500年級の杉並木が約1.7kmにわたって続いており、歩く者を森の静寂と神聖な空気で包み込みます。この参道に立つ「羽黒山五重塔」は、平将門の創建と伝えられ、現存する塔は室町時代の再建。くぎを一切使わない「木組み建築」(木材を彫り込んで組み合わせる伝統技術)で建てられた塔は、見れば見るほどその繊細さと壮大さに感動を覚えます。

また、2025年現在も、羽黒山は「国宝と修験の道」として世界文化遺産登録を目指す運動も行われており、今後ますます注目度が高まる場所となっています。

羽黒山は、歴史的にも自然環境的にも、唯一無二の存在感を放つ場所であり、訪れる人の心と体を深く癒してくれます。

1-2.60歳からの旅にぴったりな理由


羽黒山は、定年後の人生を豊かに楽しみたい60代以上の方にとって、身体にも心にも無理のない“ちょうどいい冒険”です。

羽黒山は「登山」というよりも「歴史散歩」に近く、きつすぎない石段道と、自然に囲まれた静かな環境が、日頃からウォーキングをしているシニア世代にとって心地よい負荷を与えてくれます。2,446段という数字だけを見るとハードに感じるかもしれませんが、道中にはベンチや休憩スペースも設けられており、途中で五重塔までで折り返すことも可能です。

五重塔までは随神門から徒歩15〜20分ほど。高低差も比較的ゆるやかで、普段から散歩習慣がある人なら無理なく到達できます。また、自然の音に囲まれながら歩くことで、気分もリフレッシュし、心肺機能や筋力の維持にもつながります。

特筆すべきは、五重塔の前に立ったときの「達成感」と「静けさ」。人工音がほとんどない環境で、風に揺れる葉音や鳥のさえずり、五重塔の木の香りが身体の深部にまで染み込むような感覚になります。

健康と感性の両方を磨きたい60代からの方にとって、羽黒山は“自分を整える旅”ができる貴重な場所です。

1-3.この記事で紹介する内容

この記事では、羽黒山五重塔の歴史的背景、参道の歩き方、周辺の見どころ、アクセス方法などを総合的に解説します。

初めて羽黒山を訪れる方や、シニア世代の旅行を計画する方にとって、事前に「何をどこまで見られるのか」「どのくらい歩くのか」「どの季節が良いのか」を知ることはとても重要です。旅を快適に、そして安全に楽しむためには、正確な情報が欠かせません。

本記事では以下の内容を取り上げます:

・国宝・羽黒山五重塔の歴史と建築の見どころ

・随神門から五重塔までの石段道のルートと所要時間

・季節ごとの自然の変化とおすすめの時期

・車・バスを使ったアクセス方法や駐車場情報

・周辺にある茶屋や観光スポット、宿坊の紹介

・歩く際の服装や持ち物のアドバイス

・歴史好きにうれしいエピソードや豆知識

この記事を通して、読者が羽黒山への旅をより安心して、より深く楽しめるような準備が整えられることを目指しています。

2.歩いて楽しむ羽黒山|参道と五重塔の見どころ

参考:https://tabizine.jp/2019/09/05/284810/

2-1.五重塔までの石段道:2,446段の“ゆる登山”

羽黒山の参道は、2,446段の石段を歩くことで、歴史と自然を肌で感じられる「信仰の道」であり、体と心に心地よい刺激を与えてくれる体験です。

石段は江戸時代に整備され、現在も多くの参拝者や登山愛好家に親しまれています。段差は比較的低く、整備が行き届いているため、日頃からウォーキングや軽登山をしている方にとっては無理のない距離です。

起点となる「随神門(ずいしんもん)」をくぐると、すぐに杉並木の参道が始まります。両脇には特別天然記念物に指定された樹齢300〜500年の巨大な杉の木々がそびえ立ち、まるで“時空のトンネル”を歩くような感覚に包まれます。

参道には「祓川(はらいがわ)」という清流が流れ、「須賀の滝(すがのたき)」という小さな滝もあり、自然の音に癒されながらゆっくりと歩を進めることができます。
途中にある「爺スギ(じじすぎ)」は樹齢1000年以上とも言われる御神木で、高さは約33メートル、幹周は約7メートルにもなります。このスギに手を合わせる人も多く、信仰の厚さがうかがえます。


この石段道は、歴史ある「山の参道」でありながら、無理のない“ゆる登山”として60代以上の方にも安心して楽しめるルートです。美しい風景と荘厳な雰囲気が歩くたびに心を清めてくれます。

2-2.杉並木とパワースポット

参考:https://kazekaol.exblog.jp/27299440/


羽黒山の杉並木は、ただの森林ではなく、訪れる人に“静かなパワー”を与えてくれる特別な空間です。


杉は神道や修験道において「神の宿る木」とされており、羽黒山の参道はそのような聖なる木々に囲まれています。日々の喧騒を離れ、五感を研ぎ澄ませることができるため、多くの参拝者が心の浄化を目的にこの道を歩いています。


特に「千年杉」と呼ばれる古木たちは、目の前に立つだけで圧倒的な存在感を放ち、森林浴効果も抜群です。森林浴とは、植物が発するフィトンチッドと呼ばれる化学物質を体に取り込むことで、リラックス効果や免疫力向上が期待できる自然療法のことです。

また、羽黒山一帯はスピリチュアルスポットとしても知られており、心を整えたい人や「何かを始めたい」と願う人がエネルギーをもらいに訪れる場所となっています。


ただ歩くだけではない、杉並木の中を通る時間そのものが“癒し”と“再生”の体験となります。自然が好きな方にはまさに最適なウォーキングルートです。

2-3.五重塔をじっくり見るポイント

参考:https://tochiginojinja.shiraberu-kuraberu.com/utsunomiya-hagurosan-jinja/

羽黒山五重塔は、外観だけでも十分感動的ですが、細部に注目してじっくり鑑賞することで、より深い歴史と美意識を体感できます。


塔は「素木造(しらきづくり)」と呼ばれる建築手法で、木の美しさをそのまま活かした外観が特徴です。柿葺(こけらぶき)の屋根は、木の薄板を重ねて仕上げられており、耐久性と美しさを両立しています。さらに、構造の中心を貫く「心柱(しんばしら)」が地中深くまで伸びており、地震に強い構造となっています。


塔の正面から見ると、各層の屋根の重なりや、木組みの繊細さがよく分かります。四方に配置された組物(くみもの/木材の組み合わせ部分)は、建築美のハイライト。写真撮影の際は、光の加減によって木肌の陰影がドラマチックに浮かび上がる、午前中〜昼過ぎが特におすすめです。

また、過去には特別公開で塔の内部が開放されたこともあり、内部の心柱や仏像、構造の精巧さが話題となりました(※2025年現在、通常は非公開です)。


五重塔は単なる「古い建物」ではなく、歴史、技術、信仰がすべて詰まった“生きた文化財”です。見れば見るほど新たな発見がありますので、ぜひゆっくりと時間をかけてご覧ください。

3. 体力に合わせて選べるルートと準備

参考:https://ziplock.info/e/1666/

3-1.高齢者にも安心のルート選び


羽黒山は、体力や健康状態に合わせて複数のルートを選べるため、60代以上の方でも無理なく楽しむことができます。


登山や長距離のハイキングに比べて、羽黒山の五重塔までは緩やかな石段道が中心。全体で2,446段ありますが、目的地を五重塔に設定すれば、約15〜20分ほどのウォーキングで自然と歴史に触れられます。


「随神門(ずいしんもん)」からスタートして五重塔を目指すルートは、杉の木々に囲まれた1本道。
道中には木製のベンチや休憩スポットもあり、ご自身のペースでゆっくり歩ける環境が整っています。

また、山頂にある「三神合祭殿(さんじんごうさいでん)」まで挑戦したい方には、車で「羽黒山有料道路(通行料400円)」を使って山頂近くまでアクセスし、そこから軽い坂道を歩くルートもあります。こちらを選べば、全ルート制覇が難しい方でも山頂の雰囲気を味わうことができます。


自分の体力に合わせて、ゆっくり五重塔だけを目指すもよし、山頂まで足を伸ばすもよし。羽黒山は「無理なく歩ける」設計がされているのが嬉しいポイントです。

3-2.歩く前の準備:持ち物・服装・注意点


羽黒山を快適かつ安全に楽しむためには、シンプルながら適切な準備が必要です。


参道は整備されているものの、石段は滑りやすい箇所や傾斜のある場所もあります。加えて、山の天気は変わりやすく、特に春先や秋の朝夕は冷え込むこともあるため、服装と装備には気を配る必要があります。


以下は、60代以上の方が羽黒山を歩く際におすすめする持ち物と服装です:

  • 靴: クッション性があり、滑りにくいウォーキングシューズまたは軽登山靴
  • 服装: 通気性と防風性を兼ねたアウター、動きやすい長ズボン、帽子
  • 持ち物: 水分補給用の飲み物、タオル、虫よけスプレー、簡易レインコート
  • 補助具: トレッキングポール(石段の下りで膝の負担軽減に効果的)

また、スマートフォンを活用する場合は、羽黒山周辺では一部圏外のエリアもあるため、紙の地図か事前のルート確認が推奨されます。


ちょっとした装備の差が、安全性と快適さを大きく左右します。事前準備をしっかり整え、自分の体と自然を対話するような時間を過ごしましょう。

3-3.車・バスでのアクセス方法


羽黒山はマイカーでも公共交通機関でもアクセス可能で、シニア世代の旅にも優しい観光地です。


JR鶴岡駅を起点にして、庄内交通のバスを利用すれば、羽黒山の登り口や山頂付近までダイレクトにアクセスできます。また、マイカーを利用すれば、荷物の心配も少なく、休憩しながらの自由な移動が可能です。

  • バスの場合: JR鶴岡駅から「羽黒山頂行きバス(所要約50分)」が運行。終点で下車すれば、山頂の神社にもすぐアクセスできます。
    (※冬季は減便または運休することがあるため、事前確認が必要です)

  • 車の場合: 鶴岡市内から約40〜50分で羽黒山有料道路を通って山頂駐車場へ。
    その後、徒歩5分ほどで三神合祭殿に到着できます。
    無料駐車場は随神門周辺にもあります。

  • タクシー利用も可: 駅から羽黒山随神門までの料金はおおよそ5,000円前後(2025年現在)で、人数がいれば割安に利用できます。


交通手段の選択肢が多く、どんなスタイルの旅でも対応可能なのが羽黒山の強みです。体力や同行者に応じて、無理のないアクセス方法を選びましょう。

4. 季節ごとの楽しみ方と周辺情報

4-1.春夏秋冬の羽黒山


羽黒山は四季折々の美しさを楽しめる観光地で、訪れる季節によって異なる感動が味わえます。


山形県庄内地方の気候ははっきりとした四季が特徴で、羽黒山ではその自然の移ろいが参道や五重塔、杉並木に美しく反映されます。それぞれの季節に合わせた旅の楽しみ方があるため、リピーターにもおすすめです。

  • 春(4月〜5月)
    雪解けとともに杉並木の緑が息を吹き返し、新緑がきらめく季節です。まだ空気が澄んでおり、歩くにはちょうど良い涼しさです。ゴールデンウィーク頃から観光客も増え始めます。
  • 夏(6月〜8月)
    樹林の中は天然のクーラーのような涼しさ。猛暑の街中と比べて体感温度は2〜3℃低く、避暑地としても最適です。蝉の声や木漏れ日の中での森林浴は、格別の癒し効果があります。

参考:https://mokkedano.net/event/41795

  • 秋(10月〜11月初旬)
    紅葉が始まり、赤・黄・橙のグラデーションが石段を彩ります。杉の緑とのコントラストが美しく、写真好きにはたまらない季節。混雑も比較的落ち着いており、静かに散策したい方におすすめです。

参考:https://note.com/yota_nakamura/n/nb735f0029a48

  • 冬(12月〜3月)
    一面の雪景色が広がる“白の世界”。ただし、石段は雪や氷で滑りやすくなるため、冬期は山頂まで車でアクセスし、五重塔周辺の見学は控える方が安全です。なお、2025年現在も冬季は石段の一部が通行止めになることがあります。

参考:https://travel.rakuten.co.jp/mytrip/howto/dewasanzan-zekkei


春夏秋冬それぞれの表情が楽しめる羽黒山は、何度訪れても新たな発見と癒しを与えてくれる場所です。特に「春と秋」は、歩く旅にぴったりのベストシーズンです。

4-2.周辺で立ち寄れる観光・食事スポット


羽黒山の参拝や散策のあとには、鶴岡の魅力的な観光地や郷土料理が楽しめるスポットに立ち寄ることで、旅がさらに豊かになります。


鶴岡市は“城下町”として栄えた歴史があり、文化や食の面でも魅力にあふれています。羽黒山の周辺には、歴史的建造物や地元食材を使った名物料理が楽しめる食事処が点在しています。

  • いでは文化記念館(羽黒山ふもと)
    羽黒山や出羽三山の修験道の文化を学べる施設。神仏習合や山伏の修行など、羽黒山の背景にある歴史を深く知ることができます。

  • 精進料理「斎館(さいかん)」
    山頂近くにある伝統の食事処で、肉や魚を使わず、山菜や豆類でつくられた精進料理を味わえます。旅の中で“食による心の浄化”も体験できます。

  • 庄内観光物産館(道の駅的施設)
    地元の漬物や「だだちゃ豆」、羽黒山の杉で作った工芸品など、お土産選びにもぴったりの場所です。

  • 加茂水族館(クラゲドリーム館)
    車で30分程度の距離にある“クラゲ展示数世界一”の水族館。神秘的な空間は、自然と静寂を楽しんだ後の感性にも響きます。


羽黒山だけでなく、周辺の文化施設や地元グルメを組み合わせたプランは、身体にも心にも満足感の高い1日旅になります。

4-3.宿泊を検討するなら


羽黒山を訪れる際は、宿泊も視野に入れることで、より深く自然や歴史に浸ることができます。


日帰りも可能な距離ではありますが、朝の静けさや夕方の薄明かりの中での参道散策は、泊まりならではの特権です。特に宿坊や歴史ある旅館に泊まると、羽黒山の霊気を肌で感じる特別な体験ができます。

  • 羽黒山宿坊街(しゅくぼうがい)
    江戸時代から続く宿坊が十数軒並ぶ一角。現在も一般客の宿泊を受け入れており、精進料理、写経体験、朝の参拝など、通常の宿とは一味違う滞在が可能です。

  • 出羽三山神社の関連宿泊施設
    公的団体が運営しているため、静かで落ち着いた環境が魅力です。バリアフリー対応の部屋がある施設もあります。

  • 鶴岡市内の温泉宿・旅館
    車で30〜40分ほど移動すれば、温泉と地元料理を堪能できる宿泊先が複数あります。特に「湯田川温泉」や「湯野浜温泉」は歴史ある名湯としても知られています。


  • 1泊することで、羽黒山の空気をより深く味わい、自分自身と静かに向き合う時間が生まれます。「ゆっくり」「じっくり」旅したい方には特におすすめです。

5. まとめ|心も体も整う、60代からの“羽黒山旅”

5-1.自然と歴史に包まれる、歩く旅の豊かさ

参考:https://yamagatakanko.com/attractions/detail_22.html


羽黒山への旅は、単なる観光ではなく、心と体の調和を感じられる「大人のための時間旅行」です。


自然の静けさと、600年以上の歴史が今も息づく五重塔や参道。自分の足で一歩一歩石段を登りながら、その土地の空気、文化、祈りを感じることで、普段とは違う“ゆるやかな気づき”が得られます。これは、時間に追われず、心の余白を大切にしたい60代以降の方だからこそ味わえる旅の形です。


杉並木に囲まれた石段道を歩く。目の前にそびえる国宝の五重塔をじっくり眺める。季節の空気を胸いっぱい吸い込む。そして、茶屋で味わう一杯のお茶に、歩いた分の充実感が染みわたる——。
そういった一つ一つの体験が、人生の後半にこそふさわしい、豊かな旅の記憶になります。


自然と歴史の中を“歩く”ことでしか得られない満足感が、羽黒山にはあります。
歩ける喜びと、感じる力がある今だからこそ、ぜひこの旅を体験してみてください。

5-2.「ゆるトレッキング」で味わう“人生の余白”

参考:https://www.yutagawaonsen.com/news/hagurosan/


羽黒山は、体に無理なく、心に深く響く「ゆるトレッキング」に最適な場所です。


険しすぎず、簡単すぎない、ちょうどよい距離と勾配。そして何より、歩く過程そのものが楽しい。それが羽黒山の魅力です。歩く中で五感が研ぎ澄まされ、これまで見落としていた季節の匂いや、木々のざわめき、小さな祠や石仏に目が向くようになります。


日々のウォーキング習慣を持つ方にとって、羽黒山の2,446段はチャレンジであると同時に、“日々の延長線上”にある楽しみでもあります。さらに、山頂にある三神合祭殿や、ふもとの歴史施設に足を延ばせば、文化的な刺激も得られ、心が満たされることでしょう。


忙しさから解放された今だからこそ、自分のペースで味わえる「ゆるトレッキングの旅」が、新たな趣味や人生の楽しみにつながるかもしれません。
羽黒山は、そんな“人生の余白”を豊かにしてくれる、静かで力強い場所です。

https://ymgt.link/wp-admin/post.php?post=3583&action=edit

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